毎度。
 いよいよこの2009年の世の中は、未曾有の大不況にある。
 この間日本に少しだけ帰ったけれど、TVで見るのは、不況の事と、派遣さんの問題と、首相が如何にアホか、という事だった。
 アメリカでは日本ほど不景気に関してTVで取り上げていないように思う。
 確かにアメリカも不景気だけど、「不景気、不景気」と言っているのも良くない、と思っているのか、情報を操作しているのか判らないけれど、日本ほどでも無いと思う。
 ところで、しばらく前に、世界最大の自動車メーカー「T」自動車の社長が直系の方に「大政奉還」されたらしい。
 コメントは『「現場、現物」を重視して現場にもっとも近い社長で居たい』らしい。
 なるほど。
 しかし、ひねくれ者の僕には、「何だかな〜」って思いだ。
 まず、「より一般市民に近い」事をアピールしたいのだろう「現場、現物」
 三現主義から持って来ているのだろうけど、この大所帯の長となる身の方が「現場、現物そして現実」を見なくてどうするのだ?
 これでは、今の日本の世論的には、派遣社員さんや、季節雇用者さん達が怒るだろうと思う。
 「現場に近くありたい」なるほど。
 だけど、あなた様がどこそこの工場訪問、となれば、その訪問日一週間前から、通常より更に徹底した「5S」活動が開始されてあなた様のいう真の「現場」は見る事が出来ない。
 ましてや、まるでTVドラマの「白い巨塔」の様に「院長先生のご回診〜」とばかりに、ぞろぞろと人を引き連れて大名行列
 立派すぎる。さすが世界No1の自動車会社だ。
 ちなみに、アメリカのFという会社では、直系の子孫の方は既に退いている。
 彼は晩年こう言っていた。
 「会社を救う為なら、何でもする」と。
 これはつまり、状況を打開する明確な戦略や計画、見通しが無いということだ。
 「現場」を大事にする。お客様第一、製造現場=つまり品質第一。
 それで、海外で食ってきた日系自動車メーカー。あまりに、当たり障りの無いコメントに閉口する。これでは先のF社の子孫と大差は無いように聞こえる。
 「じゃ、これを書いているお前(私 たっく)はどうなのだ?」と聞かれれば、
 「どうせ個人資産たんまりあるのでしょうから、将来首になっても問題ないでしょ。もっと大胆にやったら?」
 と言いたいのである。
 具体的にはアメリカでの商売方法を変える、とか、ひとまず高給取りな全社員に補助してでも車を買わせる、とか。
 大胆な度合いによっては、色々バッシングを受けるでしょうけど。
 お客様も大事ですけど、アメリカで実施されている「自動車部品メーカーによる納入自動車メーカー格付けランキング」見直したほうがいいよ。
 ワースト1位がG社、2位T社ですよ。
 権力を行使して机を叩く「現場」の社員の、「現実」も見て欲しいものですね〜。
 ま、重鎮達に「この不況面倒だし、託しちゃおうか?」ってなもんだろうけどね。
 似た状況に私も居るので、その辺は同情する。
 これからもっと残酷で、過酷な近い将来の状況に対する、責任を負わなければいけないから。