Tac5552008-09-25

 毎度
 ブログもすっかり更新しなくなってしまったのだけど、それも何故「忙しい」のである。
 っ言うより、「忘れていた」というのが正解かもしれない。
 ところで、すっかり私の「日本に帰国した際に、本屋で新刊が発売されていないか」チェックをする小説家の疑いの無い一人である、乙一氏であるが、著書「銃とチョコレート」を読んだ。
 もっと早く読みたかったのだが、もちろん日本に滅多に帰れない事や、この本をやっと入手したりだとか、他に東野圭吾の本を読んでいたりだとか、そんなこんなでやっとたどり着いて読んだ。
 そういえば、このブログを自分自身の読書記録にしよう、などと考えていたが、それも実践していない。
 この本ですが、最初は面食らった。
 「おいおい、これってもともと少年少女向けだったぞ」と。
 だが十分大人も楽しめる。
 相変わらず、最後にまとめる上手さ、と言いますか、乙一ワールド、と言いますか、期待を裏切らない、と言いますか。
 全国に乙一ファンが多いのも、肯けるわけです。
 全く勝手な設定なのだけど、乙一氏の本は、「爽やかな日差しの下、オープンカフェで読書をする」とか「僕のお気に入りのちょっとしゃれたパネラブレッドというカフェ付きのパン屋」だとか、そんなシチュエーションでは、なぜか読む気がしないのである。
 個人的に、乙一氏の本を一番読みたいシチュエーションは、もう無いのだけど、場所は、実家の自分の部屋。
 夜遅くに、勉強机に座り、部屋の電気を消して、勉強机のライトだけ。僕の右手側には赤い、AIWAのラジカセが合ったりするのだ。
 上手く言えないが、10代の受験勉強の状況であり、10代の深夜のラジオを聞いたりしていた状況であったり、つまりそんな感じで読みたいのだ。周りには誰も居ない。暗い中、ひとつの明かりの中に自分の世界があって、それは僕の特別な空間であるのだ。
 そんな訳で、すっかり自分の部屋も、自分だけの時間を失った僕が唯一、乙一氏の本が読めるのは、女房子供が寝、寝室全体の明かりは消して、ベッドスタンドの明かりだけ読むのだ。
 この様に、乙一氏の本を読む為に、自分自身で勝手な好ましいシチュエーション作ってから読むのである。
 そして、次の乙一氏の本を読む事を楽しみにしているのである。